四谷を歩きまわる

本日のゼミは研空室で若干の打ち合わせ後、町へでよう、ということで、四谷の現地調査へ行って参りました。今回は初見ということもあり、地図を片手にぶらぶら歩き回って雰囲気を掴むというかんじでした。

四谷についてですが、なぜこの地をわれわれの研究対象としているのか、それはおおむね明治期の3大スラムのひとつがここにあったからです。名を鮫河橋といい、もう地名自体は無くなってしまったものの、東京のなかでも最も大きなスラムの一帯がこのあたりに広がっていたと思うと、なかなか感じるところがあります。はあ。
先行研究を玩味したところによれば、このあたり特有の建築形態として「裏長屋」が多かったということですが、たしかに通りによってはかなり小路地が走っており、奥には雑草が繁茂していたり、廃屋のようなものが建っていたり、土地利用として芳しい状況ではないようでした。
また、四谷は地形が特徴的でありまして、本日の調査では江戸城の外堀跡から(自然の?)崖地まで、かなり起伏が激しい場所という印象を改めて受けました。谷地が貧困層の住空間になるというのはよくある話ですが、四谷の場合は墓や寺社などの宗教施設も多く、街区の形もかなり特徴的でした。
調査の帰路、四谷図書館に寄り道し本を漁ってみたところ、なかなか興味深い本が並んでいて、研究室に戻る頃にはすっかり夜も深けてしまった次第です。まあ、がんばります。
ちなみに写真は四谷のお隣さん、夜の帳が降りつつある中の赤坂離宮です。
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